選手は商品じゃない

 林選手のベガルタ仙台へのレンタル移籍に関して、いろいろと議論があるようです。
 僕自身は今年仙台のゴールキーパーとして1シーズンを戦い抜いた林の存在は札幌の大きな力になると思っていたので林の復帰が叶わないのは残念でした。
 今回の決断について、自身のキャリア設計も含め、林選手自身相当悩んだと思います。
 ところがこのレンタル移籍延長について書いてあるブログを読んでいると、好意的な意見はあまり多くないようです。
 「売り時を間違った」だとか、「移籍金を置いて出て行って欲しい。」だとか、そんな選手に対する愛も敬意もない言葉の羅列。
 ハッキリ言って見るに堪えませんでした。選手は商品なんでしょうか。
 僕らは選手を売り買いして金を稼ぐ立場なのでしょうか。
 チームが勝てないと、その不満を選手にぶつける無責任な書き込みが増えるのは札幌の(ネット系)サポーターの特徴だと思うのです。
 ちょっと思い出してみても2002年頃には森下選手が非難の対象となっていたように思います。今年はマーカス選手でしたでしょうか。
 
 安全なところから好き勝手なことを書いている(ネット系)サポーターって選手にとって好ましい存在がどうか、自分が選手だったらと想像してみればすぐにわかるはずです。
 こんな状態で選手とサポーターの距離が縮まるわけがありません。
 
 
 J2への降格が決まった柏戦、試合後の挨拶の際にいつもと同じように一礼だけして去っていく選手達に僕はショックを受けました。
 選手が内面でどう感じていたかはわかりませんけど、当然悔しかったと思います。けれども、その悔しさを選手とサポーターが共有できてなかったことが本当にショックだったのです。
 でも、振り返ってみたら、ネットという安全な場所から選手達を傷つけるような言葉をたくさん発していたのが札幌の(ネット系)サポーターなんじゃないでしょうか。
 少なくともその態度に選手への愛やリスペクトに満ちていたとは到底思えません。
 そのような一部の態度が柏戦後の選手達の態度の遠因の一つになったとは思いませんか?
 
 
 札幌のような地方の、予算規模も大きくないクラブが強くなるためには、選手・サポーター・クラブが一丸となって取り組まなければならない筈です。
 選手が真剣にサポーターの方を向いていないことに危機感を感じたUSを中心とする人たちが応援を自粛したわけです。
 あのときのメッセージは選手だけでなく、クラブだけでもなく、スタジアムに集うすべての人がこの危機感を共有して欲しいとのものだった筈です。
 当然、僕らの態度も変わらなきゃいけないのです。
 選手達を商品やゲームの駒として見るのではなく、一人一人が人であることを前提に、愛情と敬意を以て接することができるように。
 
 
 「この選手はいらない」、「移籍金が欲しい」、「売ってしまえ」。
 安全なところからネガティブな言葉を書きつづるのは、もういい加減卒業しても良いと思うのです。
 選手に伝えるなら、現場で!
 勝って欲しいんだって気持ちを応援にこめて
 それがサポーターの原点なんじゃないでしょうか。

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