「3秒で退場」から思う英国サッカーの豊かさと冬開催

 ロイター通信

[ロンドン 29日 ロイター] 英国のサッカーチーム、チッペナム・タウンに所属するデビッド・プラット選手(21)が、試合開始3秒でレッドカードをもらい、退場の「世界最速」記録を樹立した。現地メディアが29日伝えた。

 3秒で退場ってのもすごいですね。
 けど、記事を読んだ感想の一番は「サザンプレミアって何よ?」でした。
 頭の中にはプレミア-ディビジョン1-ディビジョン2-ディビジョン3という図式があったので、サザンプレミアってのはディビジョン3の下の地域リーグかな、と思ったのですが、自信がなかったので調べてみました。
 するといろいろなことが分りました。
ディビジョン1,2,3とはもう言わない
 プレミアの下に位置する「フットボールリーグ」は以前のようにディビジョン1,2,3とは呼称せず、それぞれFLチャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2と呼ばれているようです。
 ちなみに所属するクラブ数は合計72クラブ。プレミアの20クラブとあわせてここまでですでに約100クラブということになります。
フットボールカンファレンス
 フットボールリーグの下にはフットボールカンファレンスがあり、ナショナル(ここまでが全国リーグ)と地域リーグ(ノース、サウス)の二部構成になっています。
 所属するクラブは68クラブ。
ノーザンフットボールリーグサザンフットボールリーグ
 フットボールカンファレンスの下には、ノーザン(北部)とサザン(南部)の二つのリーグがあります。
 サザンフットボールリーグは、イングランド南部のリーグでプレミア、1部、2部という感じで分かれています。
 
 
 結局、今回、ロイターの記事で配信されたサザンフットボールリーグ・プレミアはプレミアを頂点とする7部リーグに相当することがわかりました。
 
 それにしても、さすがはサッカーの母国。
 日本人の多くは、イギリスとイングランドの違いを良く分っていないと思いますが、大ブリテン島とアイルランド北部がイギリス(大ブリテン島及び北部アイルランド連合王国)であり、いままで書いた話はイギリスではなくイングランドの話。
 つまり一般的なイギリスのイメージからスコットランド、ウェールズ、北部アイルランドを除いた大ブリテン島の中央及び東側部分だけで、5部の全国リーグと数多くの地域リーグを有するということなのです。
 ちなみにこの地域の人口はたった5000万人。面積は13万平方キロしかありません。
 (日本は1億2千万人の人口と38万平方キロの国土を有しています)
 
 日本より少ない人口、狭い地域にこれだけのクラブがひしめいている訳ですから、イングランドサッカーの豊かさを思わずにはいられません。
 
 日本も来年からJ2に加盟するクラブが3つ増え、J1、J2とも18クラブとなりましたが、イングランドに比べまだまだ裾野が狭いと言わざるを得ません。
 犬飼会長も日本のサッカーを強くすることに情熱を持ち、頂点を高くしたいと思っているのでしょうが、そうであるならば、まず裾野を広げることこそ必要だと思うのです。
 そのためには寒冷な地域、積雪の多い地域を切り捨てるような冬開催を拙速に導入するのではなく、せめてイングランド並み、たとえばJ1,J2,J3で70クラブくらいまで日本のサッカーが発展することを優先するべきなんじゃないでしょうか。
 多くのクラブ数とサッカー人口に支えられることこそが、日本サッカーが強くなるために必要だと思うわけです。

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