こちらのブログ記事でJ各クラブの2008年期の経営状況が一部開示された事を知ったので早速眺めてきました。
(こちら)
やはり気になるのは、チーム・スタッフ人件費の項。
2008年のチーム・スタッフ人件費は、もちろん浦和が第一位で24億・・・・・と思ったら、東京ヴェルディが26億でJ1最高額でした。
昨年、東京ヴェルディはJ2に降格したわけですから、26億もの膨大なチーム・スタッフ人件費を費やしてJ2に降格するという不名誉な記録を残したわけです。
おそらく、チーム・スタッフ人件費が1部で最高額なのに2部に降格したというのは、世界的にも珍しいのではないでしょうか。(もしかして世界初?)
もっとも、レンタル元の川崎に復帰したフッキをシーズン途中に再獲得したり、そのフッキの退団後に急遽大黒を獲得したりと、他のチームが羨むような補強を敢行したので、結果的にチーム・スタッフ人件費がかさんでしまったのは理解できますけど。
(そこまでやってJ2に降格してしまっては目も当てられませんけど。)
ところで過去の降格チームとチーム・スタッフ人件費の関係が興味深いところです。
Jリーグのオフィシャルサイトには、過去の経営状況についても開示されているので、さっそく調べてみます。
情報が開示されている2005年以降について、過去の降格チームは
2005年 柏、東京V、神戸
2006年 福岡、C大阪、京都
2007年 広島、甲府、横浜FC
2008年 東京V、札幌
の10チーム。
2005年の柏と東京ベルディのチーム・スタッフ人件費は回答なしとなっているので、数字として確実なのは、神戸の15億。
神戸よりチーム・スタッフ人件費が低いのに関わらずJ1残留に成功しているのは、大分(9億9千万)、広島(11億)、新潟(12億7千万)、鹿島(13億7千万)の4チームでした。
2006年に降格したチームは、福岡(7億8千万)、C大阪(11億5千万)、京都(10億7千万)。
これらのチームよりチーム・スタッフ人件費が低くでJ1に残留できたチームは、甲府(5億5千万)、大分(7億5千万)の2チーム。
2007年はチーム・スタッフ人件費が下から3つ(甲府、横浜、広島)が降格。
この3チームよりもチーム・スタッフ人件費が安いチームはありませんでした。
妥当な結果といえば妥当な結果なのでしょう。夢はないけど。
2008年は札幌(7億9千万)、東京V(26億2千万)です。
2006年の甲府の残留はバレーの活躍が大きかったように記憶しています。
バレーがガンバに移籍した2007年に甲府が降格したこともその裏付けになるでしょう。
また、大分の残留はシャムスカ監督の力や若手選手の急成長が大きな理由でしょう。
これらの事から言えることは
- 基本的にはチーム・スタッフ人件費が少ないチームは降格する。
(例外:東京ベルディ(2008年、たぶん前回も))
- チーム・スタッフ人件費が少なくともJ1に残留することは可能だが、なにかスペシャルな要素が必要。
決して多いとは言えないチーム・スタッフ人件費で大分がいままでJ1に残留していることは、味奇跡的な素晴らしい結果だと思うんですが。
さて考えてみましょう。
- シーズン途中にシャムスカ監督を更迭した大分の判断は正しかったか?
- 昨年3億だった山形は今年は何億をチーム・スタッフ人件費に投入できたのか。また、J1に残留できるのか?
- 仙台(6億)、湘南(5億)、C大阪(8億)の3チームはJ1に昇格できるのか?また、昇格したとしてJ1に残留できるのか。
- 26億も使いながらJ2に降格した東京ベルディに未来はあるのか?
チーム・スタッフ人件費とJ1残留の観点からJリーグを見てみるのもなかなか興味深いところです。
振り返って、札幌はどうでしょうか。
石崎監督という優秀な監督がい、また、若手の成長も見られます。うまく力を蓄えれば2008年までの大分のようにJ1に定着することが可能かも知れません。
でも、いままでの事からわかるように、少なくても札幌もあと3~4億程度のチーム・スタッフ人件費の上積みが必要な気もします。
そのために有料入場者の増加とスポンサーの獲得が必要になってくるわけですけども。
チーム・選手個人の成長とクラブの努力、サポーターの協力はどうしても不可欠ですね。
やるべきことがたくさんあると、なんかわくわくしてきます。