冥王星の話(たぶん最終回(笑))

 二週間ほど前ですが、日本天文学会のWebページに日本学術会議IAU分科会委員長の海部宣男さんが次のような文章を寄稿しておられましたので、紹介します。
 読んでいただきたいのは「国際天文連合総会における惑星の定義に関連して 」という文章です。
 この文章中で、プラハでの総会の経緯について、一通り触れた後、このような事を書かれています。

前にも述べたが、今回の話は観測が進歩し、太陽系の認識が著しく広がってきた結果である。莫大な数のカイパーベルト天体が太陽系を実際に拡げつつあり、さらに遠くへと太陽系は広がってゆく。子供たちにも大きな夢を与える話である。プラハでの記者会見で私たちはそのことを強調したけれど、残念ながら枝葉のことしか報道されていないようだ。今後、さまざまな場面でこのことを大いに語ってゆきたいし、天文学会としての取組みもお願いしたい。

 ちなみに、僕のブログでもこちらのエントリーで次のように書いています。

海王星以遠には、惑星になりきれない大きさの天体がいくつもあって、ものによっては冥王星よりも大きな星もあることがわかってきたこと、つまり、観測技術の発展により、いままでわからなかった太陽系の真の姿がいろいろわかってきたことが主たる話題であって、その結果を受けて惑星の定義が見直されたという流れであったはずなのです。
 冥王星が惑星から外れたのは、あくまで結果にすぎませんし、その背景にあるアメリカの思惑なんてどうでもいい話なんですよ。どうもTVのニュースではおもしろおかしく表面的な捉え方に終始していたように思います。

 ほぼ同様のことを書いているのですが、海部さんの文章はさすがに専門家ゆえの迫力というか説得力とロマンに満ちていますね。ちょっと悔しい(笑)
 ところで、こうした素晴らしい専門家の談話も正しく報道されなければ国民に伝わることはありません。
 日本の良さは、すぐれた文化や長い歴史、美しい自然、平和的な国づくりなど多岐にわたりますが、国際競争力という観点では当面は科学技術の発展によってしか生き残る事は出来ません。
 そのためには、科学自体の持っているロマンや夢を正しく伝える人たちがいて、科学を愛する子供たちを育てなければなりません。
 その役割を担うのは教師であり、報道であるのです。
 冥王星の定義の変更の背後にある大きなロマンを伝えることが出来なかった多くのマスコミは自省しなければなりません。
 イヴィチャ・オシムが「報道は戦争をつくることが出来る」とその語録の中で語っていますが、国を良い方向へ導くかのも、あるいはその逆へ導くかのも、マスコミの報道に寄るところが大きいと思います。
 報道は重大な使命と責任を負っていることを自覚しなければなりませんし、その自覚があれば日々勉強できると思うのです。
 ところで、身近なところではコンサドーレ札幌の取材をし、報道をしているマスコミはどうなんでしょうね。日々努力していますか?
 イヴィチャ・オシムよりも多くの時間、サッカーを見ていますか?

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