jiji.comから
2007/04/29-22:36 使用済み家電2400台不明=ベスト電器2店舗から-環境省など調査
大手家電販売店「ベスト電器」(本社・福岡市)の埼玉県狭山店と深谷店が、リサイクル料金を徴収して消費者から回収した使用済み家電製品約2400台がメーカーに適切に引き渡されずに行方不明になっていることが29日までに分かった。環境省と経済産業省は、家電リサイクル法(引き渡し義務)に違反する疑いもあるとして、ベスト電器とフランチャイズ契約を結んで両店舗を経営している埼玉県内の「ゲオグローバル」から聞き取り調査を始めた。
ベスト電器が家電リサイクル法違反?という内容なのですが、まあ、経済産業省・環境省からの発表をそのまま記事にしたって感じの記事です。
こういう記事を読んでいつも感じることは、「記事を書く人はきちんとモノを考えているのかな?」ってことなんです。
家電リサイクルとは簡単に言えば
1.消費者がリサイクル費用を支払う
2.電気店は消費者が支払ったリサイクル費用を預かり、メーカー等の設置するリサイクル施設に廃家電品を引き渡す
3.メーカー等はリサイクル施設を設置し、ガラスや金属などをリサイクルする
という流れでリサイクルを進めようという仕組みです
リサイクル費用を預かりながらリサイクル施設に引き渡さなかったのであれば、預かったリサイクル費用はどこへ行ったのかという当然の疑問が生じるわけですが、この記事にはそういう視点が欠けていますよね。
ベスト電器は詐欺を行ったのでしょうか。
官庁の発表をそのまま記事にするのではなく、通信社の記者はもう少しモノを考えて記事を書いた方がいいと思う僕なのでした。
このニュースの大事な部分を明らかにせず、企業名を挙げるのはどうかと思います。
肝心な部分がはっきりしていないなら企業名はまだ伏せるべきでしょう。
これで事実誤認だったり、家電リサイクル法の流れの中での道義的責任程度であれば、メディアによる企業テロに近いものがあると思います。
逆の意見を持っています。
時事通信の配信記事では記載されていませんでしたが共同通信系の配信記事では「リサイクル料は消費者に返還する」と書いてありました。
ユーザーからリサイクル料を預かりながらリサイクル施設に引き渡されていないことは家電リサイクルの大きな問題として数ヶ月ほど前からニュースになっています。
その流れの中でいよいよ実際の店舗名が出てきたというところでしょう。また、名前が出てきたと言うことはよほど大規模で悪質だったということだと思います。
家電リサイクル法違反に関していえば2004年にヨドバシカメラとビックカメラが同様の違反により勧告等の処分を受けています。このときには、収集・運搬を行った業者が横流ししたということらしいですが。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=4879
前非があるのにいっこうに改善されない家電量販業界の体質そのものに問題があるのではないでしょうか。