サッカーチームの力とは何か

 デルリス選手の移籍に関して、いろいろな意見が出ているようですので、自分の思うところを書きます。
 まず、前提としてサッカーチームの”力”とは何か?という点について書きます。
 サッカーチームの力とは
 ・個々の選手の局面におけるテクニックに始まり
 ・選手の集団の戦術理解度
 ・指揮する監督の能力
 といった戦術面での”力”に始まり
 さらに、チームを支える運営会社の”力”
 ・クラブの積み上げてきた歴史
 ・会社の運営能力やモラール
 ・スポンサー獲得能力
 ・情報収集能力
 ・選手管理能力
 ・ユース運営能力
 ・スカウティング能力
 ・所有するクラブハウス、練習場の質
 さらにチームを支える地域の”力”
 ・サポーター動員数や質
 ・マスコミ露出能力
 ・行政の支援能力
 ・支援しようとする地場に根付く企業の質・量
 ・地域社会にどれだけ必要とされているか
 ・首都圏からの距離
 これらの多数のパラメーターにより算出される、チームの直接的な順位とはまた違う、クラブチームの潜在的な総合力という概念があると仮定します。
 現時点で、札幌の”潜在力”はJ2では仙台、京都とならび屈指のレベル。福岡、湘南はそれに次ぐ地位。次に続くのは、鳥栖、山形、徳島。さらにその下に水戸や横浜FCといった序列だと思います。
 そしてJ2屈指と書いた札幌ですが、J1レベルと比べると大宮や大分よりは上だとは思いますが、J1で歴史のあるチームよりは下と言わざるを得ません。
 たとえ、成績がどんなに低迷していてもベルディの総合的な潜在力は札幌よりも遙かに上だと言うことです。横浜や浦和も同様。
 現時点では、これらのチームは間違いなく札幌よりもチーム成績によらず格上です。
 サッカーで良い成績を残すためには、そういったチームの総合力を上げていくことが、遠回りに思えても必要であると僕は考えています。その部分では、サポーターの協力できる部分も多々あると思うので、HFC側からもサポーターをドンドン活用して欲しいと思っておりますが。
 さて、個人事業主であるサッカー選手に限らず、そういう”総合力”が上のチーム、上の会社、上の部署へ移籍、転職、異動するということは、現代の社会ではふつうのことです。
 「同一リーグだから」だとか「シーズン中だから」ということは問題になりません。札幌の持っているチーム総合力が水戸よりも上だからデルリス選手を獲得できたというだけです。
 そして札幌の持っているチーム総合力が浦和やFC東京よりも下だったから、山瀬や今野は失ってしまったのです。そして去った山瀬に対して、自分はなにもネガティブな感情は抱いていません。
 札幌のサポーターが浦和やFC東京に文句を言うのが筋違いであるように、水戸のサポーターが札幌に対して文句をいうのも筋違い。そこにあるのは単なる実力の差だけです。
 サッカーは、Jリーグは、戦いの舞台なんです。弱者にかける情けなど必要ではありません。また、弱者にかける情けは、当の弱者にとっても「よけいなお世話以外のなにものでもない」ことに気がついてください。浦和サポに情けをかけられてうれしかったですか?そのことを思い起こすだけですぐ分かる事だと思うのです。
 札幌のサポーターであって、水戸のサポーターの心中をおもんぱかっている発言をしている人もいるようですが、当の水戸サポーターはうれしくないような気がします。
 やるべき事は戦うことです。対戦相手との戦いだけではなく、札幌における地域の総合力を増やしていくことももう一つの大事な戦いです。J1下位レベルから中位レベルへ、そして上位レベルになっていけるように、継続的に努力を続けていくのも大事な戦いなのです。
 もちろん水戸のサポーターも同じ気持ちでしょう。選手を余所のチームに獲られないように、もっと良いチームになろうと考えているはずです。
 僕はそれで良いと思います。そしてそれ以上のものは必要ないと思います。

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