こんな記事がネットにあった。asahi.comより。
飲酒無免許の車が衝突、5人死傷 滋賀でパトカー追跡中
15日午前1時5分ごろ、滋賀県長浜市平方町の県道で、同市神照町、会社員西村一文さん(24)運転の軽乗用車が、同市内の県立高校3年の男子生徒(18)運転の軽乗用車と正面衝突し、生徒の車の助手席にいた同市高山町、県立高校3年、高山俊典さん(18)が腹を打つなどして約1時間半後に死亡した。西村さんら4人が重軽傷を負った。西村さんは無免許で、酒を飲んで運転したことを認めており、長浜署は危険運転致死傷容疑で調べている。
(中略)
同署の雨森和夫副署長は「パトカーの追跡は適切だったと考えている」としている。
無免許で、飲酒運転で、人を一人殺し、4人に重軽傷を負わせた犯人(容疑者?)を「さん」づけするのはなんでなんだろう?
僕の感覚では理解できないなあ。ふつうは「容疑者」でないのかな?
起訴されれば「被告」、有罪になれば「犯人」という風に変わっていくというコトをどこかの記事で読んだ気がするけども。
実際あり得ないでしょ。無免許で飲酒運転。暴走運転。信号無視。結果として殺人。
それで身内を殺された人たちの気持ちからすれば、この「西村一文容疑者」は殺人者以外の何者でもないし、その実行者を「さん」付けするのは命の重さを軽視しているように見える。
この記事については、ほとんどの新聞(朝日、読売、産経、毎日)でほとんど同じ文章なので、通信社の配信した記事だと思うけど。
そしてもう一つ不思議なのは、どうしてこういう記事の最後には「追跡方法は適切だった」という警察署の署長のコメントが載るのかということ。
警察力の行使は適切に行われなければならないとは思う。
けれども、この犯人は、無免許で、”少なくても”2軒をハシゴして飲酒しつつ、時速100kmを超えるスピードで、信号無視を繰り返し、人を殺したわけで。
パトカーの追跡によって”事故”が引き起こされたわけではないのは一目瞭然なのに、あえてそのことに触れることで追跡が事故の原因であったがごとき印象を与える記事の書き方はどうかと思うんだけど。
人の命よりも警察権力がキライって本音というか下心が見え隠れするようでちょっと嫌らしい気がしますね。
ちなみに、警察署のコメントについて記事中に記載していたのは、朝日、読売、産経で、記載していなかったのは毎日でした。
(一番詳しかった京都新聞)
呼称の件
ボクはちょっと違う意味で違和感を感じました。
記事を見ると、逮捕されていないため「さん」付けなんだな、という印象を受けましたので、「さん」付けなのは納得したのですが、少なくとも「業務上過失致死」での逮捕が可能なのは明白な事故だと思いますので、記事になる時点で「業務上過失致死罪による容疑者呼称」となるべきだと思うのですが。
なぜ業務上過失致死で逮捕されていないのかが不思議です。
業務上改質致死で逮捕しておいて、容疑が固まったら「危険運転致死」に容疑を切り替えるべきだと思うのですが…。
なぜ、即逮捕されていないんでしょうかねぇ…。それが不思議な事故です。
ほんと不思議ですね。重大事故なので続報があると思うのですが、いまのところ見かけませんねぇ。そのことも不思議。