日本代表の強化が、(紆余曲折はあったにせよ)ここまで進んできたのは、やはりJリーグが始まったことが大きな要因だと思う。
Jリーグが始まった頃、地上波のTVで多くの試合が放送され、スタジアムに足を運ばなくても、全国の子供たちがテレビでプロサッカーを観ることができるようになった。
’93年に小学1年生だった子供たちは今19才。高卒ルーキーとしてJリーグの表舞台に登場しつつあり、最近の才能豊かな若い選手たちは、小さい頃からTVなどでサッカーを観ていた世代だと言えます。
TVが子供たちに与える影響はとても大きい。何でも吸収するような年頃に日常的にサッカーを(TVで)観られる環境は大切だと思うのです。
最近の状況はどうでしょうか。
Jリーグの試合は地上波ではほとんど放送されなくなりました。来年は、BSの放送も相当減ることになるらしいです。
その分、スカパー!ではJ1も含めて生放送されるようだけれども、スカパー!は誰もが観られるわけではありません。
有料放送だけに親が相当なサッカー好きの子供しかスカパー!を観ることは出来なくなるわけです。
そんな環境で育った子供たちからサッカーのタレントが出てくるのでしょうか。
少なくても、”今”、小学校1年生の子供たちが選手になる頃、いまと同じ程度の才能がサッカー界に進んでいるとは思えません。
今から10数年後、才能のある子供たちは、野球などサッカー以外のスポーツへいってしまうのではないか不安です。
どういう経緯で地上波の放送が減り、BSの放送も減り、スカパー!なのかわかりませんが、Jリーグにしろ、サッカー協会にしろ、当面の収入を得るために、将来の世代の育成のための投資が疎かになっているような気がしてなりません。
子供たちがTVで気軽にプロのすごいプレーを観ることが出来る環境・・・。日本サッカーが世界のレベルに追いつくために、もっとも必要なことのような気がします。
才能のある子供たちがみんな野球に取られる時代。ほんの十数年前は日本サッカーにはそういう時代があったことを忘れてはいけないと思うのです。