圧倒した。圧倒したはずだった。まるで大人と子供の試合。前半戦45分は仙台を完全に支配した。敵に1本のシュートも許さない札幌。次々にクロスを入れるが、それでも点を取れなかったチームに勝利の女神は気まぐれをおこしたようだ。
ホームで勝ちたい。選手たちの気持ちが伝わってくる。自然、前がかりになる札幌。一発のパスからDFラインを突破されてしまう。池内がレッドカード、そしてPK。これでゲームが崩壊してしまう・・・・。
・・・・今日のゲームをそんな風に感じたサポーターが多かったのではないか。しかし、冷静に今日の試合を分析すると、仙台を圧倒しきったわけではないことがわかる。
たとえば前半、ラストパスはたくさん放った。しかし、公式記録によると札幌のシュート数はたったの4本なのだ。後半の7本に比べても少ない。公式記録を見て意外に思ったサポーターも多いのではないだろうか。
たしかに札幌は中盤までは仙台を圧倒的に上回っていたが、ラストパスの精度が低く、シュートに結びついていないのだ。これでは点は取れない。経験豊かな仙台のDFに次々と跳ね返される札幌の攻撃。これが前半の真実なのだ。
我々のチームは、昨年にディフェンスが徐々に完成し、今年、中盤全域で仙台を圧倒するほどに成長した。しかし、攻撃の最後の局面での工夫がまだ足りず、攻撃については今は産みの苦しみが続いている。あと少しなのだ。あと少しだけ成長すれば一気に勝てるようになるはずなのだ。だから、信じてまとうと思う。夜が明けるのを。
次節、池内はいない。しかし、やろうとしているサッカーは徐々にチームとして明確になってきているのも事実。あとは、攻撃時の工夫、そして自分たちのサッカーができる時間帯を60分、70分、80分と伸ばしていけばよい。
幸い、次節はJ2でももっとも戦力が劣るグループに属する水戸。いまは、選手もサポーターも動揺しないことだ。僕は選手と監督を信じ、地に足をつけて見守ろうと思う。